江戸時代の活版印刷について

一方、木版印刷ならばその場に応じて木版を彫っていかなければならないので効率が悪いように思える。
しかし、当時の活版印刷は必要な部数を印刷した後はその組板をばらしたのだ。これは活字をほかの印刷に使うためである。
よって、後になってもう一度印刷の必要が生じた場合は、また新たに活字拾いからやり直さなければならなかった。
それに対して、木版は一度彫って、その板木を保存しておけば、後に再版の必要が生じた時簡単に増刷することができる。
活版の場合も、一度組んだ版をそのまま保存しておくことは、理屈の上ではできる。しかし、その保管は木版よりもかえって難しく、第一保存してしまうと活字の使い回しが出来ない。
新しい版の度に、新たに活字を鋳造しなければならず、手間と経費が膨大にかかってしまう。(近代の活版印刷は、組版の紙型を取っておくというやり方で、この問題を解決した。)